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月刊書字文化

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〜日本書字文化協会機関紙No50〜
平成29年  11月号


一般社団法人日本書字文化協会機関誌
編集長 渡邉啓子
代表理事・会長 大平恵理
〒164-0001 中野区中野2-13-26  第一岡ビル3階
電話03−6304−8212 FAX03−6304−8213
Eメール info@syobunkyo.org



目次


◆第6回全国書写書道総合大会特集


・審査結果決まる 審査講評(加藤東陽中央審査委員会委員長)


・文部科学大臣賞・大賞を受賞して 大平知雅ら11人


・優秀作品展示・交流会in浅草のお知らせ


◆東・西・南・北 夕佳会主宰、森村学園講師、須田智子


◆指導者ライセンスを取ろう/


◆コラム「こころ」「きのう今日あす」「教学半」




書文協本部は今年12月1日から移転します


同日着の郵便物、宅配便は新本部充てにお送りください
新住所 〒164-0001 中野区中野2−11−6 丸由ビル301
電話、ファクス番号、ホームページアドレス等は変わりません



第6回全国書写書道総合大会


審査結果決まる


第6回総合大会の全審査結果が決定しました。「ひらがな・かきかたコンクール」「全国学生書写書道展」「全国硬筆コンクール」の総応募数は14,549点で微増でした。賞状・副賞は11月中旬に送付され、優秀作品展示・交流展が11月5日(日)、浅草公会堂展示ホールで開かれます。



月刊書字文化


第6回全国書写書道大会は9月17日「全国書写書道学生展」「全国硬筆コンクール」の2コンクールが締め切られました。
応募資格が小学3年生以下に限定されている「ひらがな・かきかたコンクール」は一足早く7月末に締め切られ、審査結果もすでに発表されています。今回の2コンクールの審査は9月23日、中野ゼロホール(区立もみじ山文化センター)で行われました。応募総数は14,549点で、前回より750点増えました。個別コンクールの応募数は「平成29年度ひらがな・かきかたコンクール」8,500点(前回 8,391点)同年度全国学生書写書道展(毛筆)席書の部933点、公募の部757点(前回1,209点)全国硬筆コンクール4,359点(前回4,199点)でした。
審査は中央審査委員会委員を中心に、書文協委嘱の専門委員らで厳正に、かつ公明さ確保のため、希望会員への公開方式で行われました。
全体に努力の跡が伺われる作品が多く見られたのは喜ばしいことです。以下、硬筆と毛筆に分けて目立った注意点を記します。
硬筆は4年生まではマスに書きますが、文字がマスいっぱいに書かれている作品が見られ、順位が下がったのは残念でした。字形にばかり気を取られないで、字の大きさ、配置にも気をつけましょう。
行書や草書で筆順が疑わしいものがありました。また、線の流れが草書体本来の形から逸脱していたものもありました。手本に頼るばかりでなく、書道字典などで行書体や草書体をしっかり理解して書くことが大切です。
毛筆では、羊毛を使用して書かれたと思われる素晴らしい作品がいくつか見受けられました。しかし、小中学生では少し硬めの毛が混じった兼毫の筆を使うなどの工夫をしてもよいかと思います。



第6回全国書写書道総合大会


優秀作品展示・交流会in浅草


展示・交流会in浅草は11月5日(日)午前10時から午後4時まで、東京・浅草公会堂展示ホールで開かれます。展示するのは文部科学大臣賞から全日本書写書道教育研究会賞(ひらかきコンは大賞まで)と併設の秀雪書道教室(東京都墨田区)作品。賞によらず出品者は誰でもこの会に参加できます。



「学業と書写書道の両立」テーマに交流対話会


1階の展示と同時に、午後1時からは同公会堂3階第1集会室で交流会を開きます。出品者らによる交流座談会のテーマは「学業と書写書道の両立」についてです。加藤東陽、辻眞智子・中央審査会正副委員長や大平恵理書文協会長らスタッフも参加します。ご自由に発言下さい。会の冒頭では文部科学大臣賞受賞の出席者への表彰も行われ、午後2時半ごろには、同集会室で集団記念写真を撮影いたします。



併設・秀雪書道教室作品展


展示会場には、書文協会員・桑島秀雪先生が主宰する秀雪書道教室(東京都墨田区横川)の作品展も併設します。毎年、希望のある教室から選び、作品展示を行っているものです。初心者の作品も掲載されることで書の学びの軌跡がよく分かる展示会となります。併せてご観賞下さい。
(秀雪書道教室のホームページは https://shusetsu-shodo.jimdo.com/)
浅草公会堂は東京都台東区浅草1-38-6(TEL. 03-3844-7491)で展示会は入場無料です。浅草公会堂は観音様のすぐ近く。下町散策を兼ねておいで下さい。



園・学校顕彰


書文協では昨年同様、上位受賞者が在籍する園、学校に対し、受賞者名簿を添え、何らかの形で顕彰していただけるよう、依頼状を差し上げる予定です。
また、上位特別賞については地元教育委員会にも顕彰依頼する予定です。いずれも10月末から11月中旬の実施予定です。
この情報提供は、園・学校には子どもたちを褒めるきっかけづくりとして喜ばれ、また顕彰規定を持っている自治体・教育委員会でご利用いただいています。


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第6回全国書写書道総合大会


大臣賞・大賞受賞者の喜びの声


この大会で、文部科学大臣賞、大賞を受賞した下記の方々に気持を寄せてもらいました。皆、真剣に努力したことがよく分かる内容です。本誌編集部がほぼ半分の長さに添削をさせていただいたものです。この喜びの声は冊子「第6回総合大会特別賞受賞者名簿」に全文掲載されます。



受賞者


<総合賞>

大臣賞 大平知雅 東京都中野区立第7中学校3年
大賞 鮫島世玲菜 東京都・光塩女子学院中等科2年


<ひらがな・かきかたコンクール>

大臣賞 庄司帆夏 埼玉県所沢市立西富小学校2年
大臣賞 松下実南 千葉県・たきのい幼稚園年長
大賞 高橋舞 大阪府吹田市立千里第1小学校3年


<全国学生書写書道展>

大臣賞 水野慶子 愛知県刈谷市立小高原小学校5年
大臣賞 平川香恋 大阪府・上宮太子高校1年
大賞 菅原瑠真 大阪府羽曳野市立羽曳が丘小6年
大賞 村田樹優 大阪府・初芝富田林中学校1年


<全国硬筆コンクール>

大臣賞 浅野愛奈 神奈川県川崎市立戸手小学校6年
大臣賞 岩清水乃乃栞 神奈川県・森村学園中高等部(高校)1年


総合賞  文部科学大臣賞


「もう1枚書きたい」と思うようになって


中学3年 大平知雅


受賞には二つの決め手があったように思います。一つは、私の気持ちの変化です。小さいころから“やらされている”と感じていました。しかし今は、自分から「もう1枚書きたい」と思えるようになりました。もう一つは、学校のテストのため2週続けて書写書道の授業を休んでしまった私に、先生が「おいで」と私を教室に呼び出し、厳しく指導してくださったことです。
受験生として時間をつくるのは大変でしたが、それだから起きた私の気持ちの変化かもしれません。私は、書写書道という学びをこれからも続けていきたいと思います。


総合賞  大賞


課題「中央突破」に燃えた


中2 鮫島世玲菜


ここ数年、練習量の確保も十分に出来ず、思うように結果を残すことが出来ませんでした。特に中学生になってからは、悔しい思いをすることが多く、もどかしさが募る一方でした。そのような中で、今回の課題「中央突破」を目にした時、どんなに辛くても、努力して突破したいという気持ちが芽生えました。今まではどこかで弱気になっていた硬筆にも、集中して取り組むように頑張りました。
受賞は大変うれしく、より一層努力して頑張っていこうという気持ちになりました。


ひらがな・かきかたコンクール


<文部科学大臣賞>


たくさん練習したら受賞できるんだね


小2 庄司帆夏


がんばったことは、いつも以上に集中して、ていねいに書いてみたことです。太く、マスいっぱいにバランスよく、字の形に気をつけて書いてみたら上手に書けました。書くときに手がいたくなりましたが、先生に教わった手のたいそうをしながられん習しました。たくさんれん習したから文部科学大臣賞をいただけたのだと思います。
つぎの年がはがきコンクールも、たくさんれん習をして今回よりもきれいな字で文部科学大臣賞をとりたいです。


先生の教え通り、ていねいに書きました


年長 松下実南


とてもうれしいです。 「はしる」は「る」がむずかしかったです。まるくむすぶところを きをつけてていねいにかきました。えんぴつきょうしつではせんせいに「ゆっくりていねいに」かくようにいわれています。 これからもせんせいのいうとおりにがんばってじょうずになりたいです。


<大 賞>


教室のお祝の拍手うれしかった


小3 高橋 舞


ひらがな、かきかたコンクールはずつとがんばつてきました。毎日ノートに練習しました。
しようをとつたのもうれしかつたのですが、植西先生が「まいちやん、大しようとつたよ」と言ったら、おけいこをいっしょにうけている中学生のお兄さんお姉さんがみんなではく手をしてくれたのがすごくうれしかったです。
小さい時はうまくかけない時ないてしまうこともありました。これからは楽しく書けるようになりたいです。


全国学生書写書道展


<文部科学大臣賞>


集中力、忍耐力、諦めない気持ちが財産


小5 水野慶子


姉がくやし泣きをしながらも「今日も練習楽しかった」といつものように言っていました。そのせいからかわたしもやつてみたいなと思い、小1から書写を始めました。
私には練習を通して身につけた集中力や忍耐力、諦めない気持ちなど沢山の力が大きな財産となっています。日頃温かく熱心にご指導して下さった先生や、一緒にがんばってきた仲間達、私をかげで支えてくれている家族のおかげです。今は感謝の気持ちであふれています。


文武両道を心に決めて


高1 平川香恋


私は小学1年生から書道を始め、6年生で文部科学大臣賞、中学生最後の去年は大賞を受賞しました。しかしこの時、高校生の先輩方の作品を見て、「私の作品は、まだまだだな。」と思い、高校への進学を機に『文武両道』を心に決め、日々勉強と書道に取り組んできました。
これからも、教室の皆と書道を楽しみながら、切磋琢磨して頑張っていきたいです。


<大 賞>


半切が大好き


小6 菅原瑠真


私はいま週に3回教室に通っていますが、とても楽しく何時間も書いていたいくらい毛筆や半切が大好きです。席書大会は決められた時間と枚数で書くので緊張しますが、書き終わった時のホッとする気持ちとやり切った気持ちがとても心地いいので楽しいです。今回は書き上げたとき、先生方から練成会で教えていただいた点が直せて、しっかり書ききれて良かったです。
これからも先生方や先輩方のご指導を聞いて、上達できるように頑張っていきます。


先生の言葉全部覚えて練習


中1 村田樹優


とてもうれしいです。4月から中学生になり色々と忙しくなってきて、練習時間もなかなか取りにくくなってきました。ですから日曜日の講習会には積極的に参加し、先生がおっしゃった言葉は全部覚える様にし、それを書けるように練習をしました。始めから思うようには書けませんでしたが、何回も先生の言葉を思い返して練習し、最後には納得出来る作品が書き上がったと思います。


全国硬筆コンクール


<文部科学大臣賞>


ほめられて字を書くことが好きに


小6 浅野愛奈


私は幼稚園の年少のころ、えんぴつらんどで硬筆習字を習い始めました。そこで出会った先生は、字を書く楽しさを教えてくれました。私が良い賞をもらえたり、きれいな字が書けた時は何度も何度もほめてくれました。そのおかげで字を書くことが好きになり、今でもその気持ちは変わらず持ち続けています。
小4からの書文協の通信教育では、先生の字に憧れて字を学び続けてきました。この二人の恩師との出会いが今回の賞につながったのだと思います。


私の硬筆観変えた先生のアドバイス


高1 石清水乃乃栞


勉強・部活と忙しく、その合間のくつろいだ時間に私の楽しみとして文字を書いています。ただ、硬筆の草書に苦戦するようになって、いつしか文字を書くことの楽しみが薄らいでいくことを感じていました。そんな時に指導してくださった学校の書道の先生がこんなアドバイスをしてくださいました。「硬筆も毛筆も書く道具が違うだけで特別変わらないのよ」。その言葉に私はのびのびと落ち着いて作品に取り組めるようになりました。



東・西・南・北


夕佳会主宰、森村学園高等部書道担当 須田 智子(横浜市在住)


若い世代を書道大好きにする授業を


この度、我が校の書道の取り組みについてレポート依頼を頂きましたので、僭越ではございますが述べさせていただきます。 我が校では芸術は選択教科になっており、美術、音楽、書道から本人の希望で一つを履修することになっています。週1回2時間の連続授業です。
書道では毎回最初の20分を使って、基礎練と称する硬筆練習を行っています(写真は授業風景)。平仮名の書き方から始まり、漢字の楷書、行書の字形の取り方、更には手紙、宅急便の用紙、履歴書など、書式についても学びます。漢字の楷書や行書は毛筆を始める前に鉛筆で標準形を学んでおくと、毛筆に入った時抵抗なく進めていくことができます。字形の基礎知識があると古典の臨書の際に漢字、仮名を問わずそれを書いた人の明確なねらいがはっきり見えてきます。そしてそれが書風の違いに繋がっていくのだ、ということを理解することができ、古典への愛着が生まれてくる様に思います。
なかなか倣書(その古典の雰囲気を出しながらオリジナルな作品を作る)の域にはたどり着けませんが、正しい方向性を示してあげれば、卒業後自分なりの字 を書くようになると思います。
次に書文協のコンクールでは年に2回、硬筆コンクールと年賀はがきコンクールの時間に二時間丸々使ってお手本に忠実に真似させます。普通の基礎練での下積みがありますので二時間で仕上げます。家でも書きたいという生徒には後日改めて提出させますが、不思議なことに授業中の方が集中力が冴えて良い作品が多いです。応募作品は発送する前に全てコピーを取り、更に4分の1ほどに絞ってから廊下にコピーを展示しています。およそ2か月後結果が分かり、賞状を全員に配布します。歓喜とどよめきが教室中にあふれ一瞬騒然となりますが、改めて成績の良かった友達のコピー作品を眺めたりしやがて納得のいく顔に。一歩ずつ成長していく様子が感じられます。
この様に書文協のコンクールに参加することで1年間の授業にめりはりがつき楽しく書道の勉強ができます。 若い世代の方々に文字を書くことを大好きになってもらい、書道人口を減らさないようにすることが文字文化の発展には欠かせない最重要課題だと考えます。更に工夫を重ね、充実した授業にしていきたいです。(編集部注:ペン字による達筆原文をデジタル化しました)


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指導者ライセンスを取ろう!


指導者ライセンス(資格)は、書文協がその指導範囲についてライセンス保持者の能力を保証するものです。本人の動機付けになるだけでなく、日本語を継承発展し、良き伝統文化を守り育てるという目的に叶うものとして、書文協の書の学びの中核になっています。


11月に試験、資格取得申請受理


各検定課題の成績により、申請があれば自動的に付与されるライセンスと、さらに実技試験が課されるライセンスがあります。この試験、資格取得申請受理が11月いっぱい行われます。試験は、認定教場を試験会場に実施されます。生徒さんが検定試験を受験している教場には10月中旬、申告書、ライセンスランクごとの申請料一覧表、教場各生徒さんの個人成績一覧表(硬筆楷書検定、半紙検定について)をお送りしてあります。先生に訪ねてみて、条件を満たしていればライセンス受験、資格申請を行ってください。


「えんぴつ指導者ライセンス」試験も教室で


検定制度とリンクしない指導者ライセンスも好評です。試験会場として認定されれば、11月中に試験実施することができます。小5年生から受験資格があります。どんどん試験実施してください。試験場認申請を頂ければ問題を送ります。
このライセンスは、1日6時間の講習を受け、修了試験に合格する方法でも取得できます。


個人成績記録システムをご利用ください


書文協では生涯学習を目指す各教場をサポートするため、検定・大会等成績を記録保存するITシステムを整備しています。各人の検定・大会等成績はITシステムに厳重保存され、教場を通して本人が希望する場合は開示されます。今回お知らせした各個人成績一覧表は硬筆楷書、半紙検定に限りましたが、全ての検定に付き成績は保存されています。必要がありそうな場合は本部までお問い合わせ下さい。
また、希望により、書文協が発行を認めた場合は成績一覧表を作成しています。有料216円(発送手数料込) 会員は実費送料のみ。本人のポテンシャリティ(潜在能力)が尊重される昨今、書写書道で培う「継続する力」は高く評価されます。進学・就職のための提出資料としてとても有効です。ご利用ください。


こころ


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娘の通う中学校では、毎年このころにクラス対抗合唱コンクールをしています。近くの公共施設のホールを借り切る大イベントです。近づくと、校内には練習の若い歌声が流れて、晩秋の到来を思わせます。
折から、娘が学校便りと合唱祭プログラムを持ち帰りました。校長先生のご挨拶「時の芸術」から先生方のご注意まで、合唱祭関係の記事がいっぱい出ています。その中に「日々の生活態度が合唱の究極的美しさにつながる」と書かれた記事がありました。音楽ならぬ書写書道を教えている私としても「その通り」と共鳴する内容です。

記事は、合唱の採点を良くするのは結局「日々の生活態度だ」と言っています。アスリートを例に、彼ら、彼女らも記録を上げるために日々の生活態度から律しているのだと説いています。皆の生活態度がピシッとしていれば、クラスのまとまりも良く、練習にも熱が入るのでしょうね。

私はこの記事を読んで、文部科学省主唱の国民運動スローガン「早ね、早おき、朝ごはん」を思い出しました。東京・代々木のオリンピック記念青少年総合センター(通称オリセン)を運営している独立行政法人青少年教育推進機構の呼びかけで知ったのですが、まさにその通りとこの運動に賛同しています。テレビをいつまでも見ていないで早く寝て、早く起きる。そしてきちんと朝ごはんを食べる毎日を過ごすのは、その日1日を前向きに、有意義に過ごすことにつながります。

これは、書写書道の学びにも大事な基礎なのです。字を書く、ということも音楽やスポーツに劣らずメンタル(精神的)です。上達が心に左右されるのです。実証しろと言われてもなかなか難しいのですが、心の持ちようが字に、練習態度に現れることは間違いないのです。「貴女の字、あくびしているわね」。こどもは「ウン」とうなずき、背筋がピンと伸びます。30年以上、人に字を教えてきて体得した指導の極意、というと気障でしょうか。


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きのう 今日 あす


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私の住む青梅市は東京都の西のはずれです。豊かな自然に恵まれ、ちょっとした観光地。休日ともなると登山や散策、釣りをする人等で賑わいます。その中でも、私は多摩川上流の鵜瀬渓谷に建つ日本寒山寺周辺が大好きです。自然と文化の織りなす空気が素敵で、しかもそこには美味しい食べ物とお酒まであるのです。
冷たく澄んだ湧き水から美味しいお酒が生まれ、その水で作られるお豆腐等のお料理も美味しいので、食事を楽しむ方も多いです。川を望みながらお酒、食事も楽しめます。時折かわいらしいカモの親子も登場し和ませてくれます。

最近、渓谷沿いにある小澤酒造・澤乃井という造り酒屋さんで蔵開きがありました。酒蔵を開放し、利き酒をしてまわれるのです。周辺には「かんざし美術館」「玉堂美術館」等もあり、自然の美しさに珠玉の作品が映えます。 澤乃井ガーデンから楓橋(かえでばし)で対岸へ渡ると日本寒山寺が建立されています。中国蘇州の著名な禅寺、寒山寺をもしたもので、寒山寺へ誘う階段の下には梵鐘があり、突く鐘の音が川面に響き渡ります。中腹には中国寒山寺の拓本をもとにした「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」の詩碑、お堂には中国寒山寺より渡来の釈迦像が安置されています。小さいながら趣ある堂宇です。
梵鐘とお堂の天井画も見逃せない一つです。ふと見上げると、川合玉堂門下24画伯の画が並んでおり、しばらく見入ってしまいます。

その一角にある澤乃井ギャラリーにて臨書展の作品展を行って来ました。第3回臨書展のご案内も始まりました。実施要項は、ホームページ掲載の月刊書字文化10月号に載っています。どんどんご応募下さい。

優秀作品展は、平成30年5月23日(水)〜27日(土)(予定)に行います。作品鑑賞とともに青葉の自然の中で深呼吸しにいらしてください。



教 学 半


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「これ、筆というのだけど、先っぽは何でできていると思う?」「くりー」「くさー」「ライオンだよ」「トウモロコシの毛!」(えっ、トウモロコシ!確かに。でも本物のトウモロコシをむいたのを知ってるのかなあ)

東京都府中市の北山幼稚園(山縣迪子園長)で書文協が取り組んでいる「就学前園児の毛筆正課授業の試み」も4期目。
8月に年長さんの展示会を終えて、9月より現在の年中さんの指導が開始となりました。
1回目の授業は、挨拶や姿勢、道具の名前等を中心に進めました。展示会が印象的だったのか、とにかく書きたいという園児さんが続出、今日は書かないと話すと、とても残念そう。そして冒頭の問答に。毎年聞くことですが、初めて見る筆に今回も大変ユニークな答えが…。園児たちの頭ってなんてやわらかいの、と感心しました。
2回目からは姿勢と筆の持ち方に重点をおいて、えんぴつ形筆での練習を始めました。中には、どう持って良いのか分からないといった様子の園児さんも何人かいましたが、「先生、こーおー?」と、声が。ほとんどの子がちゃんと持てました。持ち方の注意をして筆を持たせると、この月暦の子供たちは癖のないきちんとした持ち方が出来ます。ただ、これから筆記用具を持つ機会が増えてくると、自己流の持ち方になってしまうのが残念です。いつまでも正しい持ち方を忘れないで欲しいです。
3回目は、前回書いた「一」の線と「つ」を「えんぴつ形筆」で水で書いてみました。書く前に「つ」のつく言葉を挙げてみましょう、と投げかけると、4、5歳とは思えぬびっくりするような言葉が。「つがるりんご」「つるしがき」「つくつくぼうし」「ツリー」「つなひき」…。幼児の豊かな発想に「子供たちの世界は、まだまだ捨てたものではないな」と再認識しました。
次回からは、いよいよ書文協中筆「恵風3号」での水書きが始まります。また新しい発見があることを楽しみにしています。


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