日本書字文化協会は、公共性高く理想を掲げ、文字文化の伝承や発展の為に貢献する団体です。

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審査講評

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第三回全国書写書道総合大会審査講評
第3回全国書写書道総合大会講評
中央審査委員長 小森 茂(青山学院大学教授)

第3回全国書写書道総合大会(総合大会)の中央審査会は9月28日、東京都中野区立もみじ山文化センター(中野ZEROホール)で開催されました。中央審査委員7人、各地の席書大会運営委員長と日本書字文化協会(書文協)幹部あわせて専門委員7人の計14人による厳正審査を行いました。その結果、文部科学大臣賞7本以下の特別賞が決定されました。
今回の審査会の特色は、一つは書文協会員で中央審査会傍聴を希望する人には公開したことで約20人が参観しました。これは、作品審査のポイントを公表する「評価の観点」公開に続き、審査の透明性と公平性とを確保し、さらに「書写書道の学び」に結びつくコンクール開催を目指す措置で、第4回以降さらに進められます。
もう一つは、席書の募集に力を入れた結果、応募数が上向き席書参加作品に優秀作品が多く認められたことです。書写書道の振興のため今後も席書の普及を推進します。
本大会は、平成26年度ひらがな・かきかたコンクール、同全国学生書写書道展、同全国硬筆コンクールの3つのコンクールで構成されます。一括告知、募集、審査、表彰によって、「書写書道の学び」の広がりを習得するとともに、毛筆と硬筆との調和の取れた「書写書道の学び」の振興を目指しています。また、子どもたちが年中コンクールに追われている状態をなくし、勝利至上主義の学びに陥らないことも総合大会の目的です。

今回の応募数は、ひらがな・かきかたコンクールは8590点(前回 8570点)、学生展1289点(前同1407点)硬筆コンクール4199点(前同452点)で、全体として横ばいでした。この中で、学生展席書の部はこれまで減少する傾向にありましたが、544点と昨年より 10点増で反転の兆しとなりました。

書文協では、席書が「書写書道の学び」に有効であるとの認識から、その普及に力を入れることになり、今年から席書ルール(決まった用紙、時間、手本を見ないなど)を守れば、独立会場でなくても各教場教室での開催も認めることとしました。さらに遠隔地などで書文協の承認を得れば個人席書も可能との見解を明らかにしており、これらの措置が広がり席書参加者の増加を期待しています。
書文協は流派を名乗らず、をモットーとしており、審査はあくまで学習指導要領に準拠して行われました。使用漢字も教育漢字の学年配当に従って課題が設定されており、各人が自由に文言を選ぶ自由課題についてもこの基準は適用されました。(最終審査に至らない作品で基準違反が散見されたので注意が必要です。)
今年で3回目を迎えた総合大会の特色は、毛筆の学生展、硬筆の全国硬筆コンクールの双方で良い成績を収めた人のなかから、上位に総合賞として書字文化大賞が授与されることです。そのグランプリは文部科学大臣賞で、大阪府吹田市立の小学校6年生男子が受賞しました。この小6男子は、書文協が「評価の観点」を実地で教えるために大会締め切り前に全国主要都市で開いている錬成会にこの夏参加して、硬筆、毛筆について基本から鉛筆の持ち方、姿勢等まで指導を受けたことをしっかり生かしました。
最後に、特別賞受賞者を代表して一人が表彰式で受賞の謝辞を述べることになっていますが、今回は高知県立安芸高校の2年生女子が代表に選ばれました。その女子高校生は謝辞の中で「書写書道は個人プレーだと思っていたが、幼少からの友人がいて励ましあってきたからこの賞を受賞できた」と述べました。共に学び合うことの真髄を語ったものであると感銘を受けました。
我が国の伝統的な書写書道の言語文化向上と一般社団法人日本書字文化協会及び本大会の益々の発展を祈念して結びにいたします。