~日本書字文化協会機関紙 No103~
令和5年(2023年)3-4-5月合併号

 

◆ご挨拶・会長・大平 恵理
◆第8回臨書展審査結果
◆臨書展特別賞受賞コメント
◆第1回「書検」実施
◆復活!東・西・南・北
◆第12回総合大会課題

 

一般社団法人日本書字文化協会(書文協)
本部 〒164-0001 東京都中野区中野2-11-6 丸由ビル3階
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ご 挨 拶

一般社団法人・日本書字文化協会
代表理事・会長 大平 恵理

 身体機能を強める書写書道

普段お世話になっている「つかさ内科クリニック」(東京都北区西が丘)が併設するデイケア施設で、毎月1回、書写書道教室を開かせていただけるようになりました。名付けて書文協附属書写書道専修学院中野校西が丘分室。書写書道は呼吸や姿勢の維持など身体機能の維持・強化になります。生徒は老若男女を問わずに募集します。ご参加をお待ちします。
まず、書字が脳を活性化させる効果のあることは良く知られています。字を書く時、脳には多くの血が流れるという研究もあります。脳の活性化を効果の一つに挙げている書写書道教室もあります。
ここからは、私の仮説です。字を書くと言うことは、鉛筆やペン、筆を持って紙に筆圧を加えていくということです。この筆圧を加える作業は身体のいろいろな機能、例えば手の動き、呼吸、姿勢などと密接です。つまり書字でこうした機能を維持し、発展させる効果があると思います。
学びの場所となるデイケア施設は、介護保険によるリハビリ運動の施設です。お年寄りたちにも是非参加していただきたいと思います。身体機能だけでなく、高齢者が若者と共に学ぶのは精神的なリフレッシュにつながるのではないでしょうか。子ども達には、きちんと学びに向き合う訓練にもなるでしょう。
毎月、下旬の日曜日の開催で、コマ割り(1コマ60分)は9:30から午前、午後各3コマです。受講料は中野校全体と同じで(月に3コマ受講)、幼児~学生6,000円、一般7,000円など。入学金5,000円は、分室は5~8月は半額特典とします。オンライン併用で、指導者養成科、文章表現講座もあります。
無料体験実施中。詳しくは、書文協ホームページを参照。
書文協にお問い合わせください。電話番号、アドレスはこの月報の1ページ下にあります。

 

 

第8回臨書展

大賞に東京の関口美夢さん(中3)

書文協主催の第8回臨書展は令和5年4月20日締め切りで行われ、合計 1146 点(7回1092点)の 出品がありました。前回より約5%の増加です。審査は4月29日、加藤東陽・書文協中央審査委員長、加藤泰弘・同委員によって行われ、大賞など特別賞6点、優秀賞 13点、教育特別奨励賞2点が決まりました。

大賞の関口美夢さんは東京都青梅市立第二中学校の3年生。臨書の部・常設課題を書いて入賞しました(入賞作品の写真は次ページ)。関口さんは第7回でも青梅市日中友好協会会長賞を受賞しており、まだ中学生ながら実力が高く評価されています。

<各部門出品数> 第8回(第7回) 臨書の部・常設課題327点(309 点) 臨書の部・自由課題213点(287 点) 楷書書写の部606 点(496 点) 合計1146点( 1,092 点))

写真は向って右が東陽先生、左が泰弘先生

恒例の優秀作品展開催

これらの賞は、6月 2、3、4日に大日本寒山寺のある東京都青梅市の多摩川渓谷沿い澤乃井ガーデンギャラリー(東京都青梅市沢井2-770)で開かれる優秀作品展示会で飾られます。開催は11時から16時(4日は14時まで)。入場無料。

 

外務省が後援

書写書道は世界に誇る日本の伝統文化であり、今回から外務省の後援をいただきました。第8回臨書展後援団体は次の通りです。

外務省、青梅市、中華人民共和国駐日本国大使館文化部、東京都青梅市日本中国友好協会、中国書法学院、国際芸術家連盟、NPO 法人日中文化交流促進会、蘇州・寒山寺、蘇州呉昌碩研究会

<特別賞受賞者>

►大賞:関口美夢(中3)
►中華人民共和国駐日本国大使館文化部賞:榎本蒼(一般)
►中央審査委員会賞:新谷三汰(高3)
►日本書字文化協会会長賞:田淵咲良(小5)
►青梅市日本中国友好協会会長賞:篠見祐希(中3)
►日中文化交流促進会理事長賞:杉本龍峰(一般)

<優秀賞(13人)>

►渡邊愛紗(小2)
►鈴木翠花(小5)
►大柿とうこ(小6)
►本橋由香里(中1)
►鮫島麻里菜(中3)
►小松諭世(高1)
►伊東暁杏(高1)
►大平知雅(大3)
►中井玉瑛(一般)
►内山陽子(一般)
►大本啓子(一般)
►間島隆造(一般)
►植西美侑(一般)

<教育特別奨励賞(2人)>

►近藤乃愛(大3)
►松澤美香(一般)

 

 

 ご 挨 拶
大会実行委員長  渡邉 啓子

 

 

 

 

臨書展は第8回を迎え、今回より外務省の後援をいただきました。コロナ禍で開催を見送っていた「優秀作品展」も昨年から再開し、多くの方に足をお運びいただければと思っております。
今回は7月20日~30日に中国・南京(南京科挙博物館)で開催される「青少年世界平和書法大会」に出品者全員展示されます。

 

受賞コメント集

第8回書文協臨書展で特別賞授与を受けた6人の方に、受賞のコメントを書いて頂きました。紙面の都合から、一部割愛するなど編集の手を入れさせていただきました。文責は編集部にあります。全文は、近くホームページに掲載予定です。ご了承ください。

 

関口美夢(東京都青梅市立第二中学校3年)
心地よく書いた作品で受賞

書写書道では、練習を積み重ねて最後にいい作品が書けることもあれば、最後に崩れて仕上がらない時もあります。特に臨書展のような作品仕上げは、墨量や筆の開き、流れや息遣いが一枚ごとに変わるため、先生から,最後がいいとは限らないので、途中でもまとまった作品はとっておくようにとよくアドバイスをいただきます。
今回最後は時間に焦りを感じたのかどうしても上手く書けず、自然と涙が溢れ、気持ちを整理できませんでした。最後より数枚前の作品を出品し、やり切った感覚を掴みきれずにいましたので、今回の受賞は大変嬉しいものでした。同時に、ふうっと息を抜いて心地よく書けた作品だったのだと感じました。

 

榎本 蒼(一般 大阪府)
臨書は日常を見直す機会

仮名作品の中でも漢字、仮名交じり文を臨書しました。粘葉本和漢朗詠集は漢詩、和歌の2つに分かれていますが、漢詩は凛々しく厳かに、和歌は流れるような柔らかさを出せるように墨の濃淡、筆の運びに気をつけました。
臨書は文字を通して過去の時代の方々と繋がったような気持ちになります。一文字一文字に向き合うと慌ただしい日々の生活から少し離れることができ、自分の日常を見つめ直す良い機会です。原点回帰の姿勢を改めて意識しました。

 

新谷三汰(岩手県・盛岡中央高等学校3年)
練習で上達する楽しい感覚

今回は墨の潤滑や文字の大小を極端につけ、王鐸特有の勢いを表現しました。何度も行に入れる文字の数や余白の部分などを調整し、苦労して取り組んだ作品だったので、評価していただいたこと、大変嬉しく思います。
私は幼い頃から字を書くのが好きで、小1で初めて入賞しました。そのとき味わった、練習を重ねるごとに上達していく楽しい感覚が10年以上経った現在も、書道をする際の糧となっています。一層意欲的に書道に励んでいきたいと思います。

 

田淵 咲良(千葉県船橋市立大穴小学校5年)
「満」は亡き祖父の名の一文字

お習字教室へは6歳の頃から通っています。今まで、沢山の公募展に出品してきましたが、なかなか思い通りにいかず、それでも何度か賞をとる事もできました。そんな中、今回頂いた賞はとてもビックリで、今までの中でも特に嬉しかったです。
今回の作品「満」という字ですが、実は祖父の名前に入っている字で、私にとって思い入れのある字でした。一度も会った事のない祖父ですが、いつも家族とお墓参りに行く度に必ず目にする字なので、心を込めて書く事を心がけました。

 

篠見祐希(東京都・吉祥女子中学校3年)
自分の個性も表現できる臨書

私は、小学生の頃から臨書展が好きで、「どの文字を書こうかな」と眺め、課題を選ぶのがとても楽しみでした。古典の筆跡を手本にしながら、自分の個性も加え表現できる自由さ、それが臨書の魅力です。
今回はたおやかな筆使い、点画の書き方に苦心しました。また、文字の構え、余白の取り方にも苦戦しましたが、じっくり鑑賞し、練習を重ねることで、少しずつ上達していきました。いつも熱心に指導してくださる先生方に感謝申し上げます。

 

杉本龍峰(一般 山梨県)
「楓橋夜泊」と向き合って

本臨書展には、「第2回展」から出品させていただいています。初めて「楓橋夜泊」の全臨作品に挑戦し、大変勉強になりました。課題の情景を思い浮かべていると、様々な感情が湧き出してきて、それをもとに臨書してみました。
私は2013年に独学で書道を再開し、今年で10年の節目になります。その中で、本臨書展に出会いました。私にとって、書道を継続させる大きな原動力になっています。
これからも、継続して出品させていただければと思います。

 

 

第1回書検の受験お願い

書文協はこの6月26日から7月21日にかけて、第1回書検(全日本書字検定試験)を公益財団法人文字・活字文化推進機構後援で実施します。文字の巧拙を問うものではなく、文字書きの基本がどこまで身に付いているかを、硬筆・毛筆ともに設問と実技で学年ごとに調べるテストです。書写書道の学びを積み重ね、生涯学習にしていくために行う全国初の試みです。成績は当該校、教場の要請以外に開示されることはありません(個人も同)。
受験申込は6月15日-6月30日の間に、別紙の申し込み用紙で書文協にメールあるいはファックスで。第1回は試行のため受験料は無料です。

 

段級で合否判定

書検は「書検1級合格」「書検初段合格」などと段級で表示されます。段級の真ん中の1級は、国の学習指導要領で定める小学5年生程度、初段は小学6年生程度の知識・技能が身に付いている人に付与します。段級はその上下に伸びます。1回目のトライアルが終了後に段級は何ランクか決めますが、16ランク(段級)になるのではないかと予測されています。

 

第1回は一部の段級で実施

書検は学年に関係なく、誰もがどのランクからでも受けられます。合格すれば、それより前のランクは合格とみなします。第1回書検はトライアルでもあり、一部の段級(ランク)で実施します。目下、第1回は8級から2段まで辺りで実施予定です。腕試しに受験してください。

 

問題は公開で

加藤東陽・書文協中央審査委員長を中心に「設問・評価チーム」が問題を作り、合否判定します。受験料は無料です。希望者には書検の合格証と記念のバッジを発行しますが、予定価格計約500円と送料(一括)は、各自ご負担願います。

試験時間は授業時間に行える学習指導要領小・中学校レベルで40分程度、同高校レベルで80分程度です。試験は硬筆、毛筆(小学3年生以上)とも設問と実技で行います。設問は各学年に応じて知っておきたい基礎知識を問うもの、実技は課題を実際に書いてもらいます。実技課題は参考手本が示されますが、手本通りに書くことを求めるものでなく、止め,はね、払いなど基本ができているかを見るものです。
設問、実技課題はずれも事前公開で行います。受験者が受験までに学習し、覚えれば良し、とするもので、実技課題には「評価の観点」を添付します。
問題の公開は6月12日(月)前後に書文協ホームページ(アドレスは末尾)に掲載します。ダウンロードしてお使いください。申し込み団体には、解読パスワードをお示しします。

 

担当の先生へのお願い

学校、書塾のご担当の先生にはお手数をかけしますが、試験の実施にご協力お願いします。解答用紙を取りまとめ、書文協への返送を、また合否結果の受け取り、配布をお願い致します。ご希望の団体には追試も実施します。

 

スケジュールまとめ

① 受験申込  6/15-6/30 下記別紙の申し込み用紙で書文協にFAXあるいはメールで。宛先番号、アドレスは月刊書字文化1ページ末尾に。
② 問題公開  6/12前後、書文協ホームページに掲載。申込者に掲載ページを開くパスワードを教えます。
③ 試験実施  6/26-7/21 実施後、解答用紙を書文協に返送
④ 合否判定連絡 8月末までに発送
⑤ 追試実施  9月以降
⑥ 書文協紹介・書検紹介YouTubeをご覧ください。
敬具

 

 

 

東・西・南・北 

あっぱれ書道男子!その2

復活「東・西・南・北」第2弾は東北大学医学部という超難関を突破した葉山弘一(ひろかず)君です。
「仙台に行っても、月に一度は書文協の講習にでます」という言葉どおり、4/15、5/6日、彼は来ました。
よし、と記事にした次第です。
編集部の谷口によるインタビューは3月上旬に行われました。

「これは機関紙だからね。書道のお陰で超難関には入れた、という筋書きはもう決まっている。新聞記者時代にはタブーのやり方だったけどね。不満?」
「いえ、その通りで受かったのだと思います」
「如才のない子だね。医者以外でも商売やれるよ」
「ところで君はAO入試だったね。英語のテストと面接か。書道の話、面接で出なかった?」
「出ません」
「でない?君の駒場東邦高校には、第11回全国書写書道総合大会で文部科学大臣賞を取ったことを内申書に書いといてくれとお願いしたのだけどね」
「でも、書道をやっている面白い奴だ、と思ってくれたように思います」
「よし、よし」。
「君は、実に幅広くやっているね。登山、模擬国連、海外の若者との交流か。小2から書文協に出入りしてきた君にとって、書写書道とは何だい?」
「登山と同じく、周りから離れて集中できるものです」
「字が上手くなりたい、ではなくて、か?」
「はい」
「ウーム(気に入った)」
「医学部で何やりたいの」
「地球の温暖化時代を迎えた宇宙医学です」
「なんだか分からんが頑張れ。医者に書道の精神は必要だからね」

このインタビューを聞いていた大平恵理・書文協会長は、その後「いろいろな世界で活躍しようとする人には、書写書道を携えて行って欲しい。そんな学びの場である書文協でいたい」と語りました。

編集部から 書道男子という言葉はジェンダーレスの社会にそぐわなとして書文協では公式には認められていません。なお、その1は前号掲載の堀口貴太君です。

 

第12回全国書写書道総合大会

指定課題一覧

過去課題から厳選

パンデミック(世界的流行)宣言が解除されるなど、コロナとの付き合い方が変わってきました。防疫に十分注意しながらも、希望に満ちて走り出そうではありませんか。ただ、
教場の指導者の負担を減らすためにも、今回もこれまでに手がけた過去問の中から好評だった指定課題を選びました。
課題についての解説一覧は次号に掲載予定。一覧は、指導者の方を対象に作成されています。コンクールの練習をする中で、指導者と生徒さんの会話が弾むことを願っています。

 

参考手本、評価の観点を発表

コンクールの締め切りは、ひらがな・かきかたコンクールは令和5年7月20日(木)、学生書写書道展が同9月20日(水)です。参考手本、評価の観点(下記参照)は、6月上旬、
書文協ホームページに掲載予定です。ダウンロードし自由にお使いください。
希望者には手本の大判印刷も発売します。毛筆はA3判、硬筆は共通清書用紙による原寸大です。実施要項をご参照ください。
ただ、手本通りに書かなくてはいけないということではありません。また、流派を超えた審査が書文協の理念です。止め、はね、払いや点画など、身に付けなくてはいけないルール、技術をしっかりと手本から読み取ってください。指定された大きさの用紙に書く際の文字の配置、配列も手本を参考にしてください。
技法、ルールのポイントを指定課題文言にそってまとめた「評価の観点」も、書文協ホームぺージ上で発表されますので、参考にして下さい。

 

園・学校単位での応募に特典

幼稚園・保育園・学校単位での応募は、応募者1人につき参考手本と清書用紙2枚を無料配布いたします。送料はご負担下さい。実施要項をご参照ください。

 

12回総合大会指定課題

 表記上の注意

◎ 漢字は学習指導要領の学年別漢字配当に従い、年度前半大会であることから前学年までの漢字使用を原則としています。 ◎ 漢字・仮名遣い、句読点は原文通りでない場合があります。詩歌、漢文以外でも句読点を省く場合があります。
◎ 用紙の大きさ、氏名の書き方などは、大会実施要項の出品料等をまとめた出品規定表にあります。ご参照ください。

 

ひらがな・かきかたコンクール

年少・中
清書用紙①
くり
(なまえ)

年長
清書用紙①
たうえ
(なまえ)

小1
清書用紙②
つきみだんご
小一 (氏名)

小2
清書用紙②
とりのさえずりが、きこえます。
小二 (氏名)

小3
清書用紙③
あついなつです。
ひまわりがさきほこっています。
小三 (氏名)

 

 

全国学生書写書道展

◆年少・年中

◆年長
いと

◆小1
いろり

◆小2
おりがみ

◆小3
ふくは内

◆小4
白雪ひめ

◆小5
広大な海

◆小6
心に太陽

◆中1(楷書、行書)
母なる大地

◆中2(行書)
風鈴の音色

◆中3(行書)
正直で誠実

◆高校・漢字
春眠不覚暁

◆高校・仮名
春や昔十五万石の城下かな

◆大学・漢字
春宵一刻直千金
花有清香月有陰

◆大学・仮名
秋きぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる

 

 

全国硬筆コンクール

◆年少・年中
なげる

◆年長
すいかわり

◆小1
つきへかえる
かぐやひめ

◆小2
クワガタやカ
ブトムシに会
ええる夏休み

◆小3
いただきます。
しぜんのめぐみ、
食べものでつな
ぐ大切ないのち。

◆小4
ひさかたの
光のどけき
春の日に
静心なく
花の散るらん

◆小5
春は花
夏ほととぎす
秋は月
冬雪さえて
すずしかりけり

◆小6
学びて時にこれを習う、ま
たよろこばしからずや。とも
あり、遠方より来る、また楽
しからずや。

◆中学
月日は百代の過客にして、
行き交ふ年もまた旅人なり。
船の上に生涯を浮かべ、
馬の口とらへて老を迎ふる者は、
日々旅にして旅をすみかとす。
おくの細道より

◆高・大・一般
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
若菜集より  署名