~日本書字文化協会機関紙 No104~
令和5年(2023年)6-7月合併号

 

◆ご挨拶・会長・大平 恵理
◆第1回書検について
◆学生展席書の勧め
◆第8回臨書展「優秀作品展」グラビア

 

一般社団法人日本書字文化協会(書文協)
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ご 挨 拶

一般社団法人・日本書字文化協会
代表理事・会長 大平 恵理

 学びを前に

新しい生活様式が日常になり、約3年の間、社会全体、世界中が多くの点で歩みを止めていたものが、今動き始めています。人類史上にも残るような多難を抱えながらの時代ではありますが、前に向かう力強い歩みに日本書字文化協会も歩調を合わせて進んでいけるよう努めてまいります。
今年もコンクールシーズンに突入しました。夏休みに入り、第12回全国書写書道総合大会も佳境となります。総合大会はひらがな・かきかたコンクール、全国学生書写書道展、全国硬筆コンクールで構成され、ほとんどが公募ですが、学生展では席書も行います。コロナ禍でここ数年はコンクール参加をあきらめざるを得ない状況もあり、特に学生展席書は実施が困難な地域も多くありました。書文協では席書大会のあり方を見直し、席書のイベント性も尊重しながら、席書の意義を明確にして実施し易くしました。本番勝負の席書は書く人にとって実力を養う良いチャンスです。どんどん挑戦して欲しいと思います。
今年度は新しく第1回書検を行っています。コンクールと同じように全国の園、学校、塾、個人が参加することができます。どのくらい上手く書けたかという要素の強いコンクールに対して、書検は硬筆と毛筆を合わせて何ができているか、を確かめることができる検定です。実際に書く実技もありますが、設問筆記では書くことを頭で考え、整理する機会になります。ぜひトライしてみてください。
書写書道の学びを前に進め、実力をつけ、自信につなげる機会を書文協ではこれからも変わらず応援していきます。冬には伝統文化大会も控えています。
チャンスをつかんで思いっきり取り組みましょう。

 

 

 

書道を生涯学習にするために!

第1回書検2回目を11月に実施します

書文協は今年度を書検(全日本書字検定試験)のトライアル期間と位置づけ、第1回書検を実施しています。7月まで、書文協附属専修学院の生徒を中心に行って参りました。11月に第1回書検を書文協登録団体・個人を対象に改めて実施します。
書検の受験費は今年度中はトライアル期間との位置づけからとします。テスト前に覚えていただく「筆記の設問一覧」料金が含まれます。送料は別途ご負担ください。下記の受験申込表にてお申込みください。

書検は、字の上手さを審査するのではなく、学習指導要領に定められた書写書道の基本が何処まで身に付いているかを学年段階ごとに調べる全国で初めてのテストです。書写書道の学びを深め、書道を生涯学習にするために行われもので、硬筆・毛筆を併せて評価するのも全国初です。「書検」の言葉は商標登録されており、加藤東陽書文協中央審査委員長にご指導を仰ぎ、文字・活字文化推進機構の後援で進めています。
最終的に概ね16段階での実施を予定していますが、今年度は、8級から2段まで10段階で実施します。前学年程度の知識・技術が身に付いているかを問うもので、試験内容と受験学年相当を表にすると以下の段級表になります。
しかし、表は目安であって、誰でも自由に段級を選んで受験でき、合格すればそれ以前の段級はクリアしたものとみなされます。奮ってご応募ください。

 

 

テストは設問に答える「筆記」と、出された文字を実際に書く「実技」があります。筆記、実技で毛筆が加わるのは、小学校3年生相当の回答を求める3級からです。筆記試験では、出題される課題文について自由なコメントを30字以内で求める「感想文」もあります。設問・採点委員会が合否判定し、概ね1か月後に所属団体あるいは個人に結果通知します。不合格者は追試予定です。

 

 

「筆記の設問一覧」とは

書検は、テストを受けることで“書写書道に大事な観点を覚える”ことを大きな目標にしています。このため、筆記テストについては、テストで出題される項目を事前に覚えていただきます。それをまとめた冊子を「筆記テストの設問一覧」と呼びます。内容の公開は、送付した人限りとし、外部には漏らさないようにお願いします。以下、使い方を説明します。

<一覧の見方>

表の一番上は段級の区分けです。次の段は「観点語句(覚える言葉)、最後の3段目は観点語句の図解(説明の図)です。年少~小1が受ける8-6級の図解は正しいものに◎を付けています。
5級の例で説明します。5級の観点語句は姿勢(しせい)、えんぴつの持(も)ち方(かた)、えんぴつの先(さき)の向(む)き、止め(A)、はね(B)、払い(C)、正しい筆順(かきじゅん)の7つがあり、図解でAはこの部分、「も」の筆順はこの順番などと図で示されています。
筆記試験では「それぞれの図解(説明の図)にあった言葉を選んで書きなさい」との問題がでます。「も」の字に数字がついている図の正解は「正しい筆順」です。
以下は申し込み表です。FAXまたは写真でinfo@syobunkyo.orgに送ってください。

 

 

 

 

 

席書の勧め

現在開催中の第12回総合大会の令和5年度全国学生書写書道展には、公募の部と席書の部があります。
席書は書写書道のコンクールの中でも大変に人気があります。本番勝負の持つ雰囲気が好まれるのと、多くの専門家が口をそろえるように、席書で書いた作品のほうが、そうでないものより優れていることが多いからです。
限られた条件の中で書くことの緊張感が作品にあらわれる からなのでしょうか。こういうことから、書写書道の上達のためには席書が有効であると書文協は考えています。席書を園・学校、教場での開催を広く募ります。

9月3日までに開催、その14日前までに書文協に開催申請書をご提出ください。個人席書も可能で、両部で出品できます。皆さん、奮って席書にチャレンジを。

 

12回実施要項から席書に関連する部分を掲載します。

席書大会開催期間
2023年7月15日(土)~9月3日(日)
※コロナ禍において、施設の使用が出来ない場合等はお問い合わせください。

席書ルールと審査

席書ルール
① 制限時間の25分以内に作品を書く。(道具の片づけは席書時間に入りません。)
② 書文協の印が押された用紙2枚だけを使用する。
③ 手本を見ずに書く。
④自分で良い作品を決める。

審査
席書は全国各地で分散地区大会を開催、全作品を書文協本部に集めて、中央審査委員による中央審査会で審査されます。団体による予備審査結果は尊重されます。
地区大会会場は、書文協に開催申請を出していただき、書文協が承認した場合に席書地区大会として開催できます。

個人
申請、ルールなど個人の場合も同様です。

 

 

 

第8回臨書展 優秀作品展開催

6月 2~4日に、大日本寒山寺のある東京都青梅市の多摩川渓谷沿い澤乃井ガーデンギャラリーにて優秀作品展示会が開催されました。